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8.42020
自信を持って出産する〜受身的な医療出産から、主体性を取り戻す〜
いよいよ出産となった時、初産婦は右も左もわかりません。
自分に何が起きているのか、これからどうなるのか、頭の中が、真っ白です。
看護婦さんに言われるがまま、時間がきたら分娩台に上がり、両足を固定されます。妊婦ははまるで医療行為を受けるためにそこに横たわっている「患者」の様に扱われることがあります。
しかし出産というのは、医療の思うままにはいかないところがあると思います。
出産の際中、痛くて痛くて妊婦の身体が、こうしたい、ああしたい、と勝手に動き出すこともあります。「勝手に動いたりなんかしたら担当の助産師さんに怒られちゃうのかな」と思ったりするのですが、
助産師さんによっては、一旦、「ああしなさい、こうしなさい」という医療的な介入の仕方をやめて、妊婦の身体のプロセスに従い、身体の自然の流れを尊重して、「こう動きたかったらこうしていいよ、ああ動きたかったらああしていいよ」と言って産ませてくれることがあります。
それは、自分自身の身体が持っている自然なものが、尊重されていると感じる体験です。
最初妊婦は「自分は患者なんだ」と思って受身的であったのが、その時から
「この出産は、私が自分で産むんだ」という主体的な感覚に変わっていくことがあります。
とても嬉しい経験、自信を持つ体験にもつながります。「自分が産んだんだ」という感覚です。
その助産師さんは、医療という分野と、もう一つ、女性の身体の自然という分野を両方大切にされている方だと思います。
妊産婦心理カウンセリング室の心理療法も、実は似ている部分があります。医療という分野を考慮しながらも、女性の身体から自然に湧き上がってくる感情のプロセスに従います。
こうしたかったらこうしていいよ、ああしたかったらああしていいよと言う助産師さんに似ています。
女性の体から自然に出てくるものっていうのはいつも良いものとは限らないです。ちょっと恐いもの、例えば赤ちゃんに対する怒りかもしれません。
でもそういうものは、自然に湧き上がってきたものだから、こちらはきちんと受け止めます。そうすると、お母さんが自分自身の感情を信頼し、自信を取り戻してくれるのです。
自然の領域を大切にするということは「私は分娩台に寝かされている患者じゃない。この赤ちゃんは、私自身が産んだんだ」という主体性を取り戻すということにつながる体験になりますが、
これと同じで、女性の体から自然に出てきた感情、それがどんなものであれ、誰かに受け止めてもらうことで、女性たちは、自信や主体性を取り戻してくれるのです。
妊産婦心理カウンセリング室は、あなたの自信と主体性を取り戻すお手伝いをいたします。